多くの企業が「ワークシェアリング」を制度化している。ワークシェアリングとは、1人あたりの仕事の量を減らして多くの人を雇おうという制度だ。だが、ワークシェアリングで1人あたりの仕事を減らしたぶんをどうするか? 仕事が減れば、当然ながら収入も減る。消費も減る……。
そこで私は、ワークシェアリングと併せて「ワーカーシェアリング」の導入を提案したい。ワークシェアリングの「1つの仕事を複数の労働者でシェアする」という考え方に対して、ワーカーシェアリングは「1人の人間(ワーカー)を複数の会社がシェアする」というものと考えてほしい。たとえば、「月~木曜は日立で働き、金曜は農業をやる」ことも有意義だろうし、「月・水・金はソニーで開発の仕事をして、火・木はタリーズコーヒーで働く」といった様々な経験を多くの人ができるようになれば愉しい。Googleで検索しても(2003年2月25日午前2時)ヒットしないので、恐らくはだれも提唱していないのかもしれない。
そもそも、ワークシェアリングの大きな問題点は、新しい雇用を生まない(新産業の創出につながらない)ことにあると思う。1つのパイをみんなで分けて食べることはできても、新しいパイを作る人を育てることまでは手が及んでいないのである。一方で「仕事が減った時間に別の仕事をしよう!」という「ワーカーシェアリング」では、「月~水は会社で働き、木・金は自分で会社をやる」といったことも可能になる。起業してやろう!という人は増えるに違いない。
1人の人間が持つ「とてつもない可能性」を1つの会社(組織)でしか発揮できないということは、社会にとっても大きな損失だと強く思う。

