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貧困から家族を守るために脱藩、京に上った後は新選組に加り「人斬り貫一」などとも呼ばれたという吉村。隊士からは守銭奴と蔑まれながらも、せっせとお金を貯めて家族に送り続ける。中井の演技の巧みさか、吉村のこの守銭奴ぶりが実にコミカルで、銭に汚いというドロドロとした印象は微塵も感じさせない。隊士切腹の折りに介錯を務めた吉村が、「お清め料」を渡す土方歳三に「刀が刃こぼれして……」などと何のかんのと理由をつけて給金をつり上げていく場面も微笑ましく笑いを誘う。
一方、脱藩の場面や、鳥羽伏見の合戦の後に吉村が藩邸を訪れるシーンなど、思わずジーンとくるところも多い。なかでも、吉村の嫡男である喜一郎が素晴らしい。脱藩しなければ家族を養えない父親の心情は言うに及ばず、文武両道に優れた父が古い身分制度のために身を立てられずに苦悩している様子も、ぜーーんぶ理解したうえで父を送り出し、残された家族を幼い身の上でひたすらに守る。偶然にかつての友人と出逢ったときに喜一郎が土下座しながらひたすら(脱藩して迷惑をかけたことを)詫びるところなど、観ているこちらが辛くなる。貫一郎が新選組の同僚に自慢するとおり本当に「過ぎた息子」である(貫一郎自身も立派な侍であることは言うに及ばないが……)。
このほかにも、吉村家の上司にあたる大野家の親子との関わりなど、「泣きどころ」は多い。昨夜は遅い時間に観たのだけど、泣いてしまってなかなか眠れなかった(一度、劇場で観たにも関わらず……)。新選組に関心がある人はもちろん、NHKの大河ドラマで新選組に初めて触れたという人にもオススメ。近藤や土方といった大物だけでなく、それぞれの隊士にもドラマがあるということが上手く描かれている。
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泣けます。


