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『幕末新選組』池波正太郎

幕末新選組<新装版>
池波 正太郎


おすすめ平均
永倉新八主役の稀少作!

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先日エントリーで紹介した『新撰組顛末記』を読んだ池波正太郎が、永倉新八の生き様に共鳴して記したという本書。本棚に眠っていたのを引っ張り出して1日で一気に読み終えた。永倉新八を主人公に据えた小説は多くないので、通説である「近藤勇と新選組」という軸とは異なる視点で彼らを眺めることができて興味深い。

なかでも、大河ドラマでは“概ね”一枚岩として描かれている試衛館出身の隊士の間柄について、本書では「永倉・原田」と「近藤・土方」との微妙な溝が随所に強調されている点が印象的だ。隊士にスポットを当てた新選組モノの多くは池田屋事件以後の近藤を「成り上がり者」として描き、そんな近藤が永倉や原田たちを家来として扱い反感を買うのだ。永倉や原田にすれば、あくまでも近藤は「同士」なのである。

近藤、土方と別れたあとの永倉の生涯は、たしかに在京中と比べると地味に見える。潜伏中の江戸でばったり鈴木三樹三郎と出会い、自分は敗軍の兵であり、官軍の中には新選組隊士であった自分に恨みを向ける人が多いことを思い知る。身の危険を感じた永倉は、官軍側についているかつての主家、松前藩に帰参を願い出る。養子縁組によって姓を変え、北海道で静かに暮らすことを選ぶ。幾たびもの修羅場をくぐり抜けてきた永倉のような男が、その後半生に安寧を求めたとしても不思議ではない。隠居して好翁となった永倉がチンピラに絡まれたときに「気」を放って威圧するという有名なエピソード(実話なのかな?)からは、穏やかな老人の顔に人知れず刻み込まれたかつての凄みが伝わってくる。

最後に、永倉がこの世を去ったのは大正4年1月5日のこと。西暦でいえば1915年、それから現在までは90年足らずなのである。

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» 『幕末新選組』 池波正太郎 送信元 仙丈亭日乘
著者名 :池波正太郎   発行年(西暦) :2004年   出版社 :文春文庫   値段 :500-600円   池波正太郎といへば、『劍客商賣』や『鬼平犯科帳』。 新選組といへば、司馬遼太郎『燃... [詳しくはこちら]

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2004年09月07日 14:10に投稿されたエントリーのページです。

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