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『いつの日か還る―新選組伍長島田魁伝』を読む

いつの日か還る―新選組伍長島田魁伝
中村 彰彦


おすすめ平均
新選組の真実
魁太郎のお父はんは、日本一の力持ちや。

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新選組の伍長、島田魁を主人公にした小説は珍しい。子孫への取材を中心に構成されたようなので、小説ではあるがかなりの部分は実話に基づいているものと思われる。本書のように、主だった幹部以外を主人公にする書物を読むと、新選組隊士がより身近に感じられる。

巨漢で怪力、そして口下手。人を疑うことを知らず、友人と家族を大切にする。そんな島田のキャラクターが丁寧に描かれている。本書は島田と永倉との友情を軸に新選組を捉え、ことあるごとに近藤や土方と対立する永倉を見つめながら自分と新選組の関係に思い悩む島田の姿が浮かんでくる。それにしても本作の島田魁は、大河ドラマにおける昭栄のキャラクターとかなり重なって見える(三谷さんのモデルか?)。

維新後、ともに生き残った永倉と21年ぶりに再会するシーンは読んでいるこっちが嬉しくなる。そこに劇的なドラマチックさは感じられないが、そのぶんだけリアリティーが感じられて静かな感動を誘う。島田が最後に身を寄せた職場が、新選組全盛期の屯所でもあり多くの命のやり取りの場となった西本願寺の警備だったというのは運命的でもある。また、魁の葬儀に人知れず永倉が訪れていたというのもいい話だった。

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2004年09月20日 21:58に投稿されたエントリーのページです。

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