次から次に読んでいる藤沢周平作品ですが、次品は「暁のひかり」です。これは短編集で、収録されている作品にはやや暗めの作品(先日読んだ暗い作品「一茶」ほどではないにせよ)が多い気がしました。
堅気になろうと思った壺振り師が、希望の光だった少女の死によって再びいかさまを用いて破滅する表題作ほか、貧しさゆえに身を売る武家の内儀を哀れんだ博打うちが亭主を誘って賭場に乗り込む「穴熊」も切なくてよかったです。
ほか、ちょっと偏屈な「気は優しくて力持ち」を描く「馬五郎焼身」、賭場の用心棒に落ちぶれた飾り職人と父親に売られた娘の物語「おふく」、家族に逃げられた男がひょんなことから女と子どもを心中から助け、その後も家に居座られて迷惑をこうむりつつも運命を受け入れ始める「しぶとい連中」を収録。
藤沢作品の中では地味な部類に入る短編集かもしれませんが、どの作品も人生の儚さが切なく描かれていて面白かったです。「しぶとい連中」には円熟期の藤沢作品のユーモア(滑稽さ)に通じるものもあります。
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