藤沢周平の「よろずや平四郎活人剣」を読みました。「活人剣」などというと、いさましい剣豪小説をイメージしてしまうけど、この小説の主人公はいたって庶民的です。そこが、この物語をぐっと魅力的なものにしています。
目付で千石取りの次男坊として生まれた平四郎は、妾腹の出ということもあり、実家を離れて裏長屋暮らしをしています。日々の暮らしにも事欠くありさまで、そんななかで思いついたのが「よろずもめごと仲裁」ビジネスです。
兄には頭が上がらず、友人にはだまされると、ちょっと抜けているようにも見える平四郎ですが、実はすごく頭が切れる男です。このあたりのバランスがうまく描かれているので、この物語が単なるスーパー剣士モノにならず、人情味あふれる市井小説としても読むことができるのでしょうね。
平四郎のもとに持ち込まれる揉め事は、実にさまざまです。夫婦喧嘩の仲裁から、脅しやタカリなど、、ときには命がけの仕事になることもあります。
ネタばれになるので詳しくは書きませんが、上下巻、一気に読み終えることができます。時代小説ファンなら手にとって損はありませんよ。
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