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新選組 アーカイブ

2004年07月04日

『近藤勇白書』池波正太郎

金曜日から土曜にかけて池波正太郎作の『近藤勇白書』を読んだ。今年のNHK大河ドラマの題材(これについてはいずれまたエントリーを改めて……)も新選組だが、彼らに関する書籍は非常に多い。この『近藤勇白書』は、一介の道場主だった近藤勇が、世に出るチャンスを求めて浪士隊の一員として京に上り、新選組総長にまで上り詰め、やがては敗軍の将として命を落とすまでの出来事を描いた作品。それほど長くない作品なので、新選組の各隊士らにはあまり触れられていない。永倉新八や原田左之助はまだいいほうで、斉藤一に至ってはほとんど登場しない……。

それでも、芹沢鴨の粛正や池田屋事件などの描写は迫力があり、上下2巻を一気に読み終えた。史実と異なる部分もあるが、大河ドラマで取り上げられているエピソードなどもあって大河ファンも楽しめるだろう(大河ファンならとっくに読んでるって?)。これがたった140年くらい前のことなんだよね……。

近藤勇白書〈上〉
池波 正太郎

おすすめ平均
おすすめ。

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近藤勇白書〈下〉
池波 正太郎


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2004年09月05日

『新撰組顛末記』永倉新八

新撰組顛末記
4404026706永倉 新八

おすすめ平均
stars読みやすい!
stars表記を、また、「史実」を疑え
stars生き証人
starsこれはおもしろい
stars経験した者にしか分からない迫力

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新選組の大幹部のなかで最後まで生き残った永倉新八が、その当時を振り返った回顧録をまとめた貴重な1冊。“あの”永倉が大正時代まで生きていたんだね。大正時代といえば、僕の祖父母は生を受けていたわけで、祖父母は新選組隊士と同時代を生きていたという事実に改めて驚く。

僕が新選組に強く惹かれるのは、彼らが生きていたのが“ほんの”140年前に過ぎないというところだ。戦国時代くらいさかのぼってしまうと事実としての実感も少ないが、幕末の動乱期は「自分の先祖がその時代にも生きていた」ことがかなりリアルな手触りで実感できる気がする。これってすごいよね。

で、本書に関しては、永倉改め杉村翁の回顧録を再編集したもので、オリジナルは新聞に連載されていたもの(永倉が新聞記者に語ったものを記者がまとめていたようだ)。このほかにも当時は幕末の回顧録が各新聞の連載で大人気を博していたらしい。小説ではないので踏み込んだ心情描写などはないが、事実を淡々を語ってることにかえって凄みを感じる。事件の時期などでは永倉の記憶違いもところどころ見受けられるが、あの時代に毎日命を張ってギリギリのところで生き抜いてきた男が細かいところまで完璧に覚えているはずもない。そんな些細なことを気にしていたら本書の醍醐味を味わえないね。

敗走を重ねや隊士たちが離散した後の動向については、現存する多くの書物は近藤や土方の行動を追っている。そのため、永倉が近藤や土方と袂を分かった後のことを描いた本書は貴重だともいえる。京都で殺害した伊藤甲子太郎の実弟と偶然に再会するシーンはスリリングだ(こうした新選組を恨む者からの復讐を避けるため、永倉が杉村家の養子になったことにも触れられている)。

大河ドラマで新選組に興味を持ったという人も、「ドラマの中の新選組」から「事実としての新選組」を知るいいきっかけになると思う。大河ドラマで大いに話題になった山南敬助の脱走や切腹についても触れられている。新選組に興味のある人は一読の価値があるだろう。

2004年09月07日

『幕末新選組』池波正太郎

幕末新選組<新装版>
池波 正太郎


おすすめ平均
永倉新八主役の稀少作!

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先日エントリーで紹介した『新撰組顛末記』を読んだ池波正太郎が、永倉新八の生き様に共鳴して記したという本書。本棚に眠っていたのを引っ張り出して1日で一気に読み終えた。永倉新八を主人公に据えた小説は多くないので、通説である「近藤勇と新選組」という軸とは異なる視点で彼らを眺めることができて興味深い。

なかでも、大河ドラマでは“概ね”一枚岩として描かれている試衛館出身の隊士の間柄について、本書では「永倉・原田」と「近藤・土方」との微妙な溝が随所に強調されている点が印象的だ。隊士にスポットを当てた新選組モノの多くは池田屋事件以後の近藤を「成り上がり者」として描き、そんな近藤が永倉や原田たちを家来として扱い反感を買うのだ。永倉や原田にすれば、あくまでも近藤は「同士」なのである。

近藤、土方と別れたあとの永倉の生涯は、たしかに在京中と比べると地味に見える。潜伏中の江戸でばったり鈴木三樹三郎と出会い、自分は敗軍の兵であり、官軍の中には新選組隊士であった自分に恨みを向ける人が多いことを思い知る。身の危険を感じた永倉は、官軍側についているかつての主家、松前藩に帰参を願い出る。養子縁組によって姓を変え、北海道で静かに暮らすことを選ぶ。幾たびもの修羅場をくぐり抜けてきた永倉のような男が、その後半生に安寧を求めたとしても不思議ではない。隠居して好翁となった永倉がチンピラに絡まれたときに「気」を放って威圧するという有名なエピソード(実話なのかな?)からは、穏やかな老人の顔に人知れず刻み込まれたかつての凄みが伝わってくる。

最後に、永倉がこの世を去ったのは大正4年1月5日のこと。西暦でいえば1915年、それから現在までは90年足らずなのである。

2004年09月20日

『いつの日か還る―新選組伍長島田魁伝』を読む

いつの日か還る―新選組伍長島田魁伝
中村 彰彦


おすすめ平均
新選組の真実
魁太郎のお父はんは、日本一の力持ちや。

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新選組の伍長、島田魁を主人公にした小説は珍しい。子孫への取材を中心に構成されたようなので、小説ではあるがかなりの部分は実話に基づいているものと思われる。本書のように、主だった幹部以外を主人公にする書物を読むと、新選組隊士がより身近に感じられる。

巨漢で怪力、そして口下手。人を疑うことを知らず、友人と家族を大切にする。そんな島田のキャラクターが丁寧に描かれている。本書は島田と永倉との友情を軸に新選組を捉え、ことあるごとに近藤や土方と対立する永倉を見つめながら自分と新選組の関係に思い悩む島田の姿が浮かんでくる。それにしても本作の島田魁は、大河ドラマにおける昭栄のキャラクターとかなり重なって見える(三谷さんのモデルか?)。

維新後、ともに生き残った永倉と21年ぶりに再会するシーンは読んでいるこっちが嬉しくなる。そこに劇的なドラマチックさは感じられないが、そのぶんだけリアリティーが感じられて静かな感動を誘う。島田が最後に身を寄せた職場が、新選組全盛期の屯所でもあり多くの命のやり取りの場となった西本願寺の警備だったというのは運命的でもある。また、魁の葬儀に人知れず永倉が訪れていたというのもいい話だった。

2004年10月20日

『燃えよ剣』に見る土方の美意識

燃えよ剣
司馬 遼太郎


おすすめ平均
土方ファンになりました
惚れました。
歴史の石垣の一つがある

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司馬遼太郎の『燃えよ剣』を読んだ。主人公は新選組副長の土方歳三である。日野で過ごした青年時代から函館五稜郭での激闘までを描く。大著『竜馬がゆく』と同時期に書かれた作品だというが、一方は佐幕、一方は倒幕(いわゆる過激な攘夷志士ではないが……)という相対する視点の物語を並行して執筆していたというのはおもしろい。

近藤勇を補佐し、新選組を精強な軍事集団にすることに心血を注ぐ厳しく冷静な土方と、沖田総司やお雪と接するときの温かくて幼さない土方の人間像が、いいバランスで描かれていたので、通説の「冷徹で人情味のない人物」という土方の人間像の裏側の深い部分もにじみ出ている気がした。下手な俳句を総司にからかわれるところなど、これまでの土方のイメージをいい意味で裏切ってくれる(大河ドラマの土方歳三のキャラクターとは重なる気がしたが……)。また、これはいい点でもあり残念な部分でもあるが、登場人物が絞り込まれており、近藤勇と沖田総司以外の同志があまり出てこないのが少しさびしかった。逆にそれだけ集中したからこそ、土方という1人のロマンチストをとことんまで描けたんだろうな……。

圧巻は函館上陸後の土方の戦上手ぶりだ。どこかで降伏を視野に入れている函館新政府軍内で、眼前の戦にしか関心のない土方歳三は変わり者として扱われる。苦楽を共にしてきた新選組隊士もわずかしか残っていない。そんな状況で土方は、鳥羽伏見以降の度重なる敗戦を通じて習得した洋式軍術を駆使して多勢の官軍を次々と打ち破る。負け戦の中で相手の優れた戦術を理解し、さらに自分なりの解釈を加えてモノにしてしまうあたり、天性の「喧嘩師」ぶりが発揮される。そんな土方は兵士たちから「土方さんがいれば絶対に負けない」と軍神のように崇められる。敗色が濃厚になり軍議が降伏に傾きかけたとき、わずかな兵を率いて的中突破を図る喧嘩師・土方歳三の真骨頂が迫力満点に描かれていて最後は少しほろっとさせられた。

ほぼ余談だが細かい点で気になったのは、本書では斎藤一が函館まで行動を共にしているが、僕の認識では斎藤は会津に残って松平容保に召し抱えられ、名前まで与えられたと思っていた。小説なので創作に云々言うべきではないが、斎藤といえば新選組の大幹部だけに、ここは多少違和感を覚えた(僕の認識が間違っている可能性もあるけどね)。

2004年12月29日

土方歳三好きにはたまらない「黒龍の柩」

黒龍の柩 上
北方 謙三


おすすめ平均 
もう1人の歳三を想う
もうひとつの土方歳三。
人が夢を持つとき、人は変わる。
北方謙三、新撰組土方歳三を描く!
新鮮

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大河ドラマ「新選組!」もとうとう終わったが、「もっと新選組を楽しみたい!」と思っている人は多いだろう。なかでも土方歳三ファンにお勧めなのが、この『黒龍の柩』(上・下)である。主人公の土方が、とにかく強く、頭のキレも抜群なのである。

本書の最初のクライマックスは山南敬助の切腹だ。土方と山南の関係は大河ドラマと大きく異なり、2人の友情が友情はもっと密で深く描かれている。大河でも山南の死後に斎藤一が「お互いに認め合っていた」とつぶやいていたが、この2人の関係は、大河ファン(とくに「土方もいいけど、山南も好きだ」って人)にとっては嬉しいだろう。。

とかく土方との対立軸に置かれる山南だが、史実においてもその死の前後には不明な点が多く、池田屋への襲撃に際しては怪我もしくは病が篤かったとも言われている。大河ドラマでは勤王思想と新選組のあり方で揺れ動く様を中心に山南の人物像を作り上げ、身の置き場をなくした末に隊を脱走したように書かれていたが、そうとばかりもいえないのである。その点、この『黒龍の柩』の展開は新鮮でもあり、「なるほど、そうかも……」と思わされる部分もあった(ネタばれ防止のため、具体的にならないように書きました)。

もちろん小説なので創作的要素は随所に見受けられる。とくに鳥羽伏見以降の描写には、史実と異なり大胆な着想で描かれている部分も多い。このあたりから「北方土方」が真骨頂をずいずい見せてくるのだが、ところどころ史実と絡み合っているために史実との異なりも違和感少なく楽しめる。むしろ、この史実と創作のバランスにうならされるくらいだ。江戸が陥落し、謹慎した徳川慶喜をめぐる残された者たちの夢への戦いが描かれた後半は驚きの連続だ。

土方ファンのバイブルとしては、司馬遼太郎の『燃えよ、剣』が知られているが、本書も土方バイブルに加えられるべき一冊だろう。

黒龍の柩 下
北方 謙三


おすすめ平均 
夢を捨てると人はどうなるのか
それぞれの夢とそれぞれの生き様
一読の価値あり
乾いた文体で描かれる新たな土方歳三

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2005年02月20日

「新選組!」のサントラ最高!

NHK 大河ドラマ 「新選組!」 オリジナル・サウンドトラック
TVサントラ 服部隆之 ジョン・健・ヌッツォ NHK交響楽団

ユニバーサルミュージック 2004-02-21
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おすすめ平均
新撰組~!っていう感じです。
ぜひ第二弾を!
新撰組♪

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いろんなブログでも大いに盛り上がっていた昨年のNHK大河ドラマ『新選組!』の余韻がまだ抜けない人には強くおすすめ! こういう「季節モノ」のCDっていつまでもあるとはかぎらないし……。

う~ん、懐かしいなぁ。もう1年経つんですね。視聴率が低調だったとかいろいろと言われていたけど、今の時代に合ったいい内容のドラマだったと思っています。「多摩編」あたりはベンチャースピリットを強く感じたし、「鴨編」は旧体制の打破と新時代の創造が描かれていた。このように、現代人の気持ちとも上手くシンクロする「スピリット」がドラマの根底に流れていたように思っていました。

このサントラも最高! 紅白熱唱ヌッツォ氏のメインテーマはもちろん、テーマ曲が始まる前の数秒間流れる解説映像の「つかみ」に流れる「ジャガジャッジャンジャンッ!♪」というSEも入っている。これが「疾風迅雷」という曲だということも初めて知った:-) そんなこんなで、日曜日が待ち遠しかった「あの頃」が思い出されて最高です、

一番人気だった33回「友の死」のラストで流れていたのはどの曲かご存知の方がいらっしゃったら、ぜひおしえてください!→追伸:22曲目の「誠の愛」だとおもうのですが……

「新選組!」ファンの皆さん、まだまだ火を消さないように頑張って応援しましょう。思いがNHKに伝われば、続編(?)とか作ってくれるかもしれませんし……(謎)。

2005年08月07日

「草莽枯れ行く」赤報隊の相楽総三

相楽総三(さがらそうぞう)をご存じですか? 「赤報隊の総長」と言えばご存じの方もあるかもしれません。幕末を生きた志士の1人です。でも訳あって、長らく逆賊の汚名を着せられていた悲劇の志士です。

藩という後ろ盾を持たない相楽は関東の志士をまとめ、幕府による薩摩藩邸攻撃を引き起こすことで鳥羽伏見の合戦のきっかけをつくりました。その後は京にのぼり、官軍の先方として赤報隊を率いて江戸に向かって進軍します。その軍規はとても清潔だったようです。

やがて相楽ら赤報隊は岩倉具視を筆頭とする官軍から見捨てられ(このあたりの事情は複雑ですが……)、「偽官軍」として捕らえられ刑死するのです……。新政府にとっては相楽らへの処分には後ろめたさもあったのか、相楽らに関わった多くの人(今をときめく政府高官ばかり)は維新後も固く口を閉ざしていました。そのため相楽らの行動は歴史の闇に葬られた感もあり、歴史ファンのあいだでも、意外とその活躍は知られていないようです。

本書では相楽総三という人物を、その周囲に新門辰五郎や清水の次郎長といったとびきり人間くさい男との交わりで描いています。もちろん、維新を成し遂げた有名な志士も数多く登場します。「関東の志士による倒幕」を標榜していた相楽にとって、官軍の先方として江戸を目指すというのは人生最高の時だったと思います。そこから偽官軍のレッテルを貼られ、人気を失っていくさまはやりきれない哀しさが漂い、思いっきり泣けます。

華やかな明治維新の影とも言える赤報隊の悲劇、ご存じない方は、この「北方ワールド」で味わってみるといいのではないでしょうか。土方歳三を描いた「黒龍の柩」(当ブログの関連記事はこちら)の世界観は、本書にも満ちあふれています。

草莽枯れ行く
4087474429北方 謙三

おすすめ平均
stars幕末に命を燃やした男の群像

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2005年12月23日

「新選組 原田左之助―残映」(早乙女貢)を読む

新選組を題材にした小説を久しぶりに読みました。早乙女貢さんの作品も初めてです。

本作は題名にもあるとおり原田佐之助が主人公です。原田佐之助といえば、新選組結成以来、殿(しんがり)の組の組長をつとめ続けてきた大幹部です。「槍の佐之助」と呼ばれ、槍の名手として知られています。また、坂本龍馬を暗殺したという噂のあった人物でもあります(これは冤罪で、龍馬暗殺は見廻組の仕業だと言われています)。

物語は、近藤勇らと袂を分かった原田佐之助が江戸に現れたところから始まりますが、ほとんどは創作です。江戸以降の佐之助の消息は、その生死も含めて謎が多いので、小説家としては創作意欲をかきたてられるところも多いのかもしれません。

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2006年01月03日

今夜は「新選組!! 土方歳三 最期の一日」

今夜は、待ちに待った「新選組!! 土方歳三 最期の一日」の放送日です。そうです、2004年のNHK大河ドラマの続編です。そうです、今回は「!」が2つで「新選組!!」です。

でも、ほぼ同じ時間にフジテレビ系列で「古畑任三郎 FINAL」もやっていて、三谷幸喜ファンにとっては実に悩ましい夜なのです。

ウチでは家人が古畑を観たいと言ったので、「新選組!」は録画して後日観ることにしました。でも最初の30分は我慢できずに観ちゃいました(「新選組!」は21時から、「古畑」は21時30分からなのです)。

ということで、録画を観るのが楽しみです!

2006年02月11日

日本人なら「翔ぶが如く」(司馬遼太郎)

これまでに何度読んだからわかりません。「『翔ぶが如く』を読みたいなぁ」という気分は突然に2~3年に一度は訪れます。全十巻の大著なので、一度読み始めたものなら、寝る間も惜しみ、通勤時間、食事時間などの自由時間を総動員して読みふけってしまいます。それほどまでにこの「翔ぶが如く」には魅力があるのです。80年代には大河ドラマにもなっています。たしか題字は司馬さんご自身によるものだったかと……。

この「翔ぶが如く」は、幕末維新をくぐり抜け、明治新政府を作り上げた2人の薩摩人、西郷隆盛と大久保利通を描いています(いまさら言うまでもありませんがね……)。薩摩藩では身分の低かった2人が、新政府の最高指導者に上り詰める様は、昨今のビジネスマンがもつベンチャー精神に通じるものもあるかもしれません。

2人で力を合わせて(それこそ人には決して言えないようなことにまで手を染めて)作り上げた新政府は、国内では旧幕藩体制からの変化に対する“抵抗勢力”に手を焼き、同時に海外では日本進出を虎視眈々と狙う諸外国とギリギリの折衝を行いながら、なんとかかんとか徐々に形を整えていきます。

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2006年03月21日

観るべき傑作「幕末太陽傳」

幕末太陽傳を観ました。幕末の品川宿(当時は「北の吉原、南の品川」とうたわれた遊郭)を舞台に、無一文ながら大尽遊びをしでかしそのまま遊郭(相模屋)に居座った男と、同じく遊郭をねぐらとしている勤皇の志士たちらを描いています。

落語の「居残り佐平次」(詳しくはこちら)をベースにした作品のようです。この落語もおもしろいですね。

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明治維新まであと5年という幕末の日々。品川の遊郭で大判振るまいの佐平次(フランキー堺)は実は一文なしで、居残りとなって腰を落ち着けることに。もう一組の居残り組は高杉晋作(石原裕次郎)をはじめとする勤王の志士たち。佐平次は彼らと仲良くなり、やがては廓(くるわ)の人気者になっていくが…。
川島雄三監督の代表作ともいえる傑作時代劇コメディ。落語の『居残り佐平次』をベースに『柴浜の革財布』『品川心中』を挿入させたストーリーを、太陽族やヒッピーなど当時流行した風俗とも照らし合わせながら、キレの良いテンポみなぎる演出で見事に描きこんでいる。全編軽快な中、時折ふとのぞかせるニヒリズムもぞくぞくさせる。個性的面々の好演も面白く、主演フランキー堺はキネマ旬報男優賞を受賞。(的田也寸志)Amaozon.co.jpのレビューより引用)

たしかにすごくキレがいい作品ですね。フランキー堺の喜劇役者としての本領があますところなく発揮されています。相模屋の奉公人が若き日の岡田真澄だとは最後まで気がつきませんでした(笑)。

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2006年04月02日

DVD「翔ぶが如く」(総集編)は超おすすめ!

NHK大河ドラマ総集編 翔ぶが如く数あるNHK大河ドラマの中でも「もう一度みたい!」と強く思っていた作品が、この「翔ぶが如く」です。司馬遼太郎さんの同名小説をベースにしてはいるのですが、幕末の物語については、「竜馬がゆく」「歳月」といった司馬さんの別作品のエッセンスも入っている気がします。その意味では司馬さんの幕末維新モノをテレビドラマ向けに集大成した作品が、この「翔ぶが如く」だと言えるかもしれません。

この「翔ぶが如く」では西郷隆盛を西田俊行が、大久保利通を鹿賀丈史が演じています。これがまた見事にハマっているのです。薩摩の下級武士だった西郷と大久保の青春時代に始まり、さまざまな苦難を乗り越えついに明治維新をなしとげる、そして各々の運命的な最期……、までの物語です。

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2006年04月09日

DVD版「燃えよ剣」を見ました

新選組副長の土方歳三を描いた司馬遼太郎さんの名作「燃えよ剣」については、以前のエントリーでも紹介しましたが、先日DVD版「燃えよ剣」を見る機会を得ました。

土方歳三を演じるのは栗塚旭さん。そうです、2年前のNHK大河ドラマ「新選組!」で、土方歳三の盲目の兄、為二郎を演じていた役者さんです。この栗塚旭さんは、往年の新撰組モノでは「土方歳三といえばこの役者!」とまで言われていた「名土方」の俳優さんなのです。それを知っていた三谷幸喜さんのたっての希望で大河ドラマへの出演が実現したそうです。

司馬遼太郎の名作「燃えよ剣」を元に、希代の土方歳三役者で知られる栗塚旭の主演で映画化した娯楽時代劇大作。幕末の京都を舞台に、喧嘩剣法に明け暮れる土方歳三、高貴な女性・佐絵、宿命のライバル・剣之助の3人の運命が劇的に交差していく。(Amazon.co.jpのレビューより引用)

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2006年05月05日

DVD「新撰組血風録」こそ誠の新選組ドラマだ!

新撰組血風録 VOL.1少し前にDVD版「燃えよ剣」についてのエントリーをしましたが(原作小説についてのエントリーはこちら)、そのときから「絶対に見たい!」と思っていた“永遠の土方歳三”栗塚旭さん主演の新選組ドラマ「新撰組血風録 VOL.1」を見る機会を得ました。

昭和40年に現在のテレビ朝日系列で放映された連続ドラマのDVD版です。もちろんモノクロ。レビューで皆さんが「最高」と言っているので期待は高まります。

この第1巻には、第1話の「虎徹という名の剣」と、第2話の「誠の旗」の2話が収録されています。

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2006年05月09日

DVD「新撰組血風録(2)」を見ました。

新撰組血風録(2)先日エントリーしたDVD版「新選組血風録」の第二巻を見ました。

第1巻は2話収録でしたが、この第2巻には4話収録されていて、全部で3時間超の長さになります。このあたりからは、連続ドラマとしての味わいを感じられるようになります。

この第二巻では、近藤勇や土方歳三といった「主役」ではなく、そのほかの隊士にフォーカスを当てたドラマが多く収録されています。それがまたすばらしいのです。原作にはないドラマならではの創作もあって、本当に楽しめます。

1965年7月~1966年1月までNET(現・テレビ朝日)系で放映された、司馬遼太郎原作の時代劇。新選組副隊長・土方歳三の視点を通して、毎回隊士一人ひとりの生きざまとエピソードが描かれた。嵐寛寿郎、森光子など大物ゲストが毎回登場して好評を得た。数多くの"新選組もの"の中で、司馬遼太郎の同名小説を丁寧に描いた正統派として、根強い人気がある。今回はニュープリント・コンポーネントマスターにより、昭和40年の名作時代劇が鮮やかな高画質で蘇った(「横丁DVDeliverのレビューより引用)

■第3話「昏い炎」

初期新選組のハイライトである「芹沢鴨暗殺」を描いた回。構成的には、芹沢鴨が見事な剣の使い手であることを充分にアピールしたうえで暗殺にいたる。最近の新選組作品では芹沢を「酒を飲むと手を付けられないが、素面ではけっこういいやつ」といったキャラクターで描く作品が多いように思いますが、このドラマでは「剣客」として描かれています。斉藤一なども「近藤さんや土方さんでも危ない」などと言っています。

この当時は剣客モノのほうが受けがよかったのかもしれませんが、いま見るとかえって新鮮です。さばさばとしていて気持ちもいい。近藤、土方、沖田、井上の4人で暗殺を決行するというのは史実とは異なるようですが、ドラマとしては違和感がありませんでした。

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2006年05月16日

DVD「新撰組血風録(3)」を観ました

新撰組血風録(3)
DVD版「新選組血風録」の3巻を観ました。やっぱり最高です。見るしかありません。これを観ていると、割と評価していたNHK大河ドラマもかすんでしまいそうです。

■第7話「菊一文字」

沖田総司が名刀「菊一文字」と出会うエピソードを描いた回。700年も生きている刀と、あと5年の命と医者から言われた沖田自身の命を自ら重ね合わせた総司は、明るくそれを笑い飛ばして受け止める。菊一文字を大事に思い、斬ることをためらった沖田が払った代償はあまりにも大きかった。もちろん沖田は黙っていない……。

■第8話「長州の間者」

長州藩に仕官を願った浪人が、間者として新選組に送り込まれる。

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2006年08月12日

「新選組秘帖」中村彰彦

新選組秘帖中村彰彦さんの「新選組秘帖」を読みました。それぞれの短編がさまざまな隊士を主人公に、合計9の物語が収録されています。

中にはあまり知られていない隊士や中間の話もあります。

松山幾之介、加藤愛之助、富山弥兵衛、忠助といった、「名前は聞いたことあるけど、よくは知らない」新選組関係者の物語はいずれも興味深く読めました。

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2006年11月05日

「新選組風雲録 洛中篇」(広瀬仁紀)を読む。

新選組風雲録 洛中篇
土方歳三の馬丁である忠助を主人公に据えた新選組ものの小説です。史実に基づいたものではなく、史実をベースにしたうえでストーリーを構築した完全なフィクションです。これから読もうという人は、そこのところを理解したうえで読んでくださいね。そうでないと、「史実と違ーーう!」と腹を立てる羽目になるかもしれませんので……。

「新選組風雲録」は全5巻からなり、この「洛中篇」はその第1巻にあたります。

冒頭、忠助が江戸から京へと流れてきたところから話が始まります。忠助、土方歳三、そしてある女性。物語の中心人物3人がいきなり絡むのは、あとで考えるとできすぎな印象もありましたが、とくに不自然な感じはせずに読むことができました。

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2006年11月06日

「新選組風雲録 激闘篇」(広瀬仁紀)を読んだ。

新選組風雲録 激闘篇
先日の「洛中篇」につづき、広瀬仁紀の「新選組風雲録 激闘篇」を読んだ。この「激闘篇」は、いわば新選組最盛期にあたる時期の話です。

蛤御門の変を経て、京での力を失った長州勢の没落、そしてその頭領である桂小五郎の逃亡と潜伏……。それをささえるお多加、そして追う忠助、山崎。

新選組の結束を強めるために強硬な姿勢を貫く土方歳三と、それを陰ながらサポートする忠助や沖田総司といった面々も大活躍しています。

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2006年11月08日

「新選組風雲録 落日篇」(広瀬仁紀)を読みました。

新選組風雲録 落日篇
「洛中篇」「激闘篇」とつづいてきた広瀬仁紀の「新選組風雲録」は、第3巻「新選組風雲録 落日篇」にいたりました。5巻あるうちの第3巻が「落日」というのはちょっと早いんじゃないかという気もしますが、隊士が主人公ではなく、土方歳三の馬丁という“小者”が主人公なので、隊士が死ねば終わりということではないのでしょうね。

得意の絶頂にあった新選組が、孝明天皇の崩御、大政奉還といった歴史の流れの中でどんどん渦に飲み込まれ沈んでいく様が描かれています。

新選組内部においては、伊東甲子太郎らの脱退~油小路での暗殺といった暗い出来事が続きます。山南さんと同様に、武田観流斎も踊らされている感のある最期でした。

土方歳三の密偵、忠助(史実では馬丁)も大活躍しています(やや活躍しすぎにも見えますが……)。

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2006年12月02日

「新選組風雲録 (戊辰篇)」を読む

新選組風雲録 (戊辰篇)
新選組風雲録の第4弾は「戊辰篇」です。油小路で伊東甲子太郎を暗殺し、鳥羽伏見、甲州での戦に敗れて会津までの新選組です。

新選組が、多くの人に愛されるのは、ここからの没落の様にもあるように思えます。

近藤、沖田が倒れ、新選組は名実ともに土方が背負って立つことになります。

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「新選組風雲録 函館篇」(広瀬仁紀)を読む。

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広瀬仁紀の「新選組風雲録」も、この第5巻「函館篇」で完結です。函館に上陸し、死に場所を求める土方歳三の最後の戦いが描かれています。

忠助とフランス人士官のカズヌーブの友情を描くくだりはじんわり泣けます。


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